Health Report タイトル
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専門家が語る「悪玉酵素」・・・・・vol.029

今月の健康通信も引き続き(株)TIGERととても親交の深い井手啓貴先生に活性酸素SODについてお話して頂きました。

アレルギー患者は急増している
  若い人はともかく、中年以上の皆さんはこんなことを思ったことはありませんか?
 「花粉症なんて、私たちが子供の頃にあっただろうか。アレルギーという症状もあったことはあったが、特殊な病気だったような気がするなぁ‥‥‥」

 

  そう言われてみると、 花粉症とかアトピー性皮膚炎、アレルギー鼻炎などという病気は、ここ20〜30年の間に急速に私たちの生活の中に広がってきたように思います。今では当たり前のように流れている花粉情報が春先、テレビなどの天気予報の後に必ず登場するようになったのも、ここ数年前頃からのことです。それだけ花粉が飛ぶ時期や量について、多くの人たちが真剣に関心を寄せている証拠であると思います。

 

  これは単なる憶測ではありません。厚生労働省などの統計を見てみても、明らかに アレルギー性の疾患が急増していますし、とくに春先、目の痒みや鼻炎などのアレルギー症状を訴える花粉症患者はここ10年ほどの間に倍増しています。

 

  また幼児期のアトピー性皮膚炎は今や国民病の様相を呈するほどですが、最近では幼児期のアレルギー体質を思春期まで引きずってしまったり、大人になってから突然発生したりする成人型アトピー患者が増加しているという統計も出ています。

 

  アレルギー性疾患は、自分で意識しない人を含めて現在では数千万人の患者がいるというほど、日本人の健康を脅かす病気になっています。また、その特徴として臨海・山間地方よりは都市近郊に患者が多いという特色を持っており、世界的に見ると発展途上国よりは先進国に患者が多いとされています。

 

 このことは、アレルギー性疾患はいわゆる私たちが文明社会≠ニ呼ぶような生活環境に多発していることを示しており、現代病と言われる理由でもあります。


花粉症・アレルギーも活性酸素が原因している

  なぜ、アレルギー性疾患は現代的社会、都会型の生活環境に多くみられるのでしょうか。この疑問を解くカギはやはり活性酸素にあったのです。

 

 アレルギー患者は日本経済が高度成長するのと比例するかのように増加を続けてきました。この間に私たちの生活環境には一体どんな変化があったのかを考えてみましょう。

 

 まず顕著な変化は、都市の大規模開発と工業都市の出現でした。石油コンビナートや石油化学工場が数多く建設され、これらの工場から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物が原因となって、多数の喘息患者、アトピー性皮膚炎患者が周辺に発生しています。

 

 一方、都会では大型複合ビル、集合住宅、道路、鉄道網がいたるところで造られ、周辺の緑地や清流は見る間に減少していきました。都心部ではモータリーゼーションが発達し、道路周辺部ではやはり自動車の排気ガスによる健康阻害が社会問題となりました。

 

 つまり東京オリンピック開催前後から、80年代後半まで盛んに行われた現代型社会、都市型生活環境の創造は、便利さや所得の向上を追及する一方、その代償として自然を破壊し、健康的な環境を自ら捨て去るものだったと言っていいと思います。

 

  バブル経済の崩壊後、経済ばかりでなく、健康生活についても失ったものの大きさに私たちは気づき始めました。「地球に優しい環境づくり」というキャッチコピーがいたるところで使われるようになったのも、そうした反省の表れです。

 

 しかし、一度破壊した自然環境はそんなに簡単に元に戻りません。便利さに慣れてしまった私たちの生活も、今さら数十年前の昔に返すことはできません。むしろ、高度成長期に増大させたストレス社会の後遺症が、今、顕著な形となって健康面に噴出していると考えたほうがいいのです。

 

  その後遺症のひとつが、花粉症をはじめとするアレルギー疾患という病気です。その意味でも、アレルギー疾患は高度経済成長がもたらした現代病と言えるかもしれません。

アレルギーとはどんなこと?
 アレルギーと活性酸素の関係を述べる前に、アレルギーとはどういうものかを簡単に説明してみます。

 

  アレルギーについて語るには、「免疫」という人間の体に備わった非常に巧妙なシステムについて理解しておかなければなりません。

 

 免疫というのは人間の体を病原菌や細菌、ウイルスなどの外敵から守るための機能を言います。

 

 私たちの体は常に危険にさらされています。呼吸をする大気中にはウイルスや細菌、細かなゴミやチリがたくさん浮遊していますし、食事の中にもたくさんの病原菌が混入しています。

 

 免疫組織を構成する免疫細胞は、こうした外敵を認識して彼らが侵入してくると「抗体」というものをつくり、退治してしまいます。したがって、私たちは危険な毒物や免疫が認識できないような新たな病原菌を除いて、特別な防御の手立てをしなくともそう簡単に病気になることがありません。

 

  もし、免疫という機能がなければ、呼吸のたび、あるいは食事のたびに侵入してくる病原菌やウイルスに体が蝕まれてしまいます。いまや世界中で猛威をふるっているエイズは、この免疫組織がある種のウイルスによって破壊されてしまうために、健康な人ならばかからないような病原菌に冒されて、これが致命傷になってしまう病気です。

 

  このように、免疫機能は大変重要なもので、本来は人間に有害な物質の侵入に対してだけ働くようになっています。


ところが免疫組織に何らかの異常が発生し、この働きが人間にとって無害な物質、あるいは人間の組織を構成する物質に対して働いてしまうことがあります。これがアレルギーであり、その結果現れる症状がアレルギー疾患です。

花粉症は季節的な病気ではない
  もう少し免疫について説明をしましょう。
免疫機能とは、言ってみれば体を守る防衛軍のようなものです。外敵が侵入してきますと、まず歩兵にあたるマクロファージや好中球といった大食細胞が出かけていって外敵を食べてしまいます。しかし、大食細胞がかなわない強敵が現れると、武器を使って戦いを始めます。この武器を抗体と言います。抗体は外敵の種類によって異なり、たとえば大腸菌に有効な抗体は風邪の菌には通用しません。そこで新たな菌が侵入すると、そのつど、新たな抗体をつくらなければなりません。

 

  この特徴を利用したのが予防接種です。死滅した菌を体内に注射して前もって抗体を体に用意させ、大事にいたらないようにするわけです。

 

  免疫の指令室にはたくさんの種類の抗体が揃えられて、外敵の特徴が報告されると、すぐにこれに合った武器(抗体)が前線に送られるシステムができ上がっています。ところが、アレルギー疾患になるとこのシステムが狂い出し、人間にとって無害な物質(たとえば食物、ダニの死骸やゴミなど)に対しても武器をつくり、発砲するようになります。

 

  敵がいないのに発砲をしてしまうものですから、傷つくのは自分だけ、つまり皮膚や気管支などに被害を与えてしまうのです。これがほとんどのアトピー性皮膚炎、花粉症喘息などのT型のアレルギー疾患です。


このほかリウマチや膠原病などを引き起こすU、V型アレルギーがあります。これらも間違った抗体を作った
結果起きるアレルギー疾患です。T型が本来無害な物質を外敵とみなす結果起きる病気ですが、U、V型は自分の体そのものを外敵と捉えてしまう病気です。

 

  T型アレルギーは気管支喘息アトピー性皮膚炎、鼻炎花粉症と疾患の症状が多彩で、患者数もU、V型に比べ圧倒的に多く、年代によって出てくる症状が移り変わっていくと言われています。また最近では年齢が高くなっても、いつまでも気管支喘息アトピー性皮膚炎が治らず、そのうえ花粉症も併発するなど複合的な症状が出るといった特徴も出てきているようです。

 

  年代が上がるにつれ難治性の疾患となり、単に身体上の疾患に止まらず精神的なダメージを受けている患者さんも多くなっています。

 

  こうしたT型アレルギーの出やすい体質を「アトピー体質」と呼ぶ医師も多くいます。「花粉症だから花粉の飛ぶ時期を過ぎれば楽になる」などと軽く考えず、早い時期に完治しておかないと、体質が潜伏して体調のバランスが崩れた時に突如として皮疹などが発症して苦しむ例も多いのです。


活性酸素は環境悪化で増加する

 アレルギーが環境悪化と時を同じくして増加している事と、活性酸素は無関係ではありません。なぜなら、活性酸素が活発に発生するのは、やはり環境の悪化が大きな原因でもあるからです。

 

  活性酸素が急激に発生する要因は次のようなものだとされています。

 

《 大量の紫外線 》

  オゾン層が破壊され、地上には必要以上の紫外線が降り注いでいます。紫外線を受けると皮膚の細胞内に活性酸素が増えます。一日中太陽光を浴びる人たちに、顔のシワが多かったり皮膚ガンが増加しているのもこの活性酸素の仕業です。

 

《 大気汚染 》
 自動車の排気ガスや工場の煤煙は大気中に窒素酸化物や硫黄酸化物をばらまきます。これらの物質が体内に入ると非常に強力な酸化力をもつ活性酸素が生まれます。こうした活性酸素アレルギー体質をつくりやすく、工業地帯の周辺や自動車の往来が多い幹線道路沿いの地域には、アトピー性皮膚炎や花粉症の患者がたくさん発生しています。

 

《 食物汚染 》
 現代人の食事には加工食品が氾濫しています。便利なお弁当には食品添加物がたくさん使われています。食品添加物には化学物質が使われていることが多く、体にとっては異物となります。こうしたものが大量に体に入ると、分解する際にたくさんの活性酸素が発生します。野菜の人工栽培にも農薬や化学肥料が使われています。海の幸も養殖モノが増えて、病気を防いだり成長を早めるために、飼料の中にもやはり化学物質が取り入れられています。

 

  現代人の食生活は人工栽培、養殖の食材がなくては成り立たないようになっています。その意味では、季節感のなくなった現代人の食生活は活性酸素の発生を促し、難治性の現代病をはびこらせる原因にもなっています。

 

《 電磁波公害 》

  電気製品を使用すると、必ず電磁波が発生します。電磁波は周波数が短いほど体の深部にまで入り込み悪さをします。レントゲンで使われるエックス線は細胞核の中まで到達し遺伝子を傷つけるほどの力を持っています。したがって安易にレントゲンを撮影することは命を縮めることにもつながるのです。


  私たちの身の回りにある電化製品は、すべて電磁波を周囲に放っています。一つ一つは弱くとも、あらゆる方向から四六時中電磁波を浴びることは細胞内の機能に影響を与えない訳はありません。

 

《 ストレス 》

  適度なストレスは生活の変化を生みますが、過度のストレスは活性酸素を大量に発生させ、アレルギーなどの原因にもなります。

 

《 酒・タバコ 》

  ストレスを解消しようと酒におぼれたり、タバコを吸ったりするのも活性酸素の発生に結びつきます。

  適度の飲酒はむしろ健康に良いという報告が出されました。しかし、過度の飲酒は栄養のバランスを崩し体内の抗酸化物質の欠如を招きます。

  タバコは活性酸素の製造機のようなもので、何兆個もの活性酸素が発生します。タバコを吸うのは活性酸素を吸っているようなものと考えたほうがいいでしょう。

 

 アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー患者は、自律神経の失調症だとする説もあります。働く神経(交感神経)と休む神経(副交感神経)とは、車でいうアクセルとブレーキの関係です。このバランスが崩れると大事故につながります。
つまり、環境悪化に伴う有害物質が直接活性酸素を発生させる一次的な要因があると同時に、環境の変化に精神活動がついて行けず、ホルモンや酵素の分泌のバランスが崩れて活性酸素が発生するという二次的な要因が伴うことも多いのです。


 どちらも独立した要因というより、複合した要因になると考えていいでしょう。ただ、精神的な失調による症状は、仮に一次的な要因が解消されても精神的失調が解消されない限り症状が残るため、難治度が高いといえます。アレルギー疾患は精神的疾患が残りやすいものですから、体内バランスを整え活性酸素の要因を解消することが大切です。

次号に続く。



井手 啓貴 先生

(大阪府 和田病院)

1965年大阪府堺市に生まれる。

 

大学病院では胸部外科を専攻する。その後久留米聖マリア病院で救急医療をはじめ、一般外科、脳神経外科、麻酔科、放射線科、循環器内科などをローテートする。

 

1995年の阪神淡路大震災で3ヶ月に渡り、カトリック系医療ボランティアの中心として震災地で活動する。また、その時に出会った多くの癌や難病患者、アトピー性皮膚炎患者との出会いがきっかけとなり、高知県にある土佐清水病院の丹羽靭負氏の下で丹羽療法を学ぶ。

 

バングラディッシュなどの海外医療協力にも積極的に参加。現在、様々な食養生を分析し、医者に頼り過ぎない患者の教育に力を入れている。